DXで人の特徴を取り扱う

DX（デジタルトランスフォーメーション）で、人の「能力面の特徴」や「性格・行動面の特徴」を取り扱うには、内田クレペリン検査が最適です。

DXの定義

デジタルトランスフォーメーションとは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念で、2004年にスウェーデンのウメオ大学エリック・ストルターマン教授が提唱したとされており、一般にDXと略されます。

日本の経済産業省では、「DX推進ガイドライン」において、DXを以下のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

内田クレペリン検査とDX

紙と鉛筆を使用して受検する内田クレペリン検査は一見、デジタルとは無縁のように思われます。
しかし実は、数字の足し算という「作業」しか行わず、1分ごとの作業量や誤答数という「データ」を取り扱うというユニークな検査方法は、生まれながらにしてデジタルなのです。
判定結果票に表示されているグラフや文章は、人間が見やすいようにデジタルデータを可視化したにすぎません。

内田クレペリン検査から導き出せるデータは、おもに次の2種類です。

1. 1分ごとの作業量、誤答数、年齢など検査の生データ
2. 判定モデルに生データを通すことで得られる判定結果データ

判定モデルは、生データと臨床データ（一般的な働きぶり、学習スタイル、特定業務との相性、事故、健康など）とを比較することにより得られる関数で、時代によって変わり行く目的に応じて最も切れ味が良くなるように、常にアップグレードされます。

内田クレペリン検査のクラウド判定をご利用いただくと、CSVファイルが提供されますが、これが特定のモデルで生データを判定した際に生成される判定結果データです。

目的に合致した判定モデルがあれば、その判定結果データを利用することができますし、合致したモデルがなければ、生データや既存の判定結果データと臨床データとの関連性をAIで解析して新しいモデルを開発することも可能です。

DX実現のためにぜひ内田クレペリン検査をご活用ください。

DX提案例）交通事故削減への内田クレペリン検査利用

SDGs（持続可能な開発目標）ゴール3「すべての人に健康と福祉を」には、ターゲット6「交通事故による死亡やけがを半分にまで減らす」というものがあります。
交通事故を減らす方法は様々考えられますが、ここでは内田クレペリン検査を活用した方法を考えてみましょう。

内田クレペリン検査が活用できるかどうかは、人の能力面の特徴や性格・行動面の特徴が、交通事故と相関関係があるかないかを調べてみる必要がありますが、過去に重大な交通事故を起こした集団と、一度も交通事故を起こしたことが無い集団の判定結果を比較すると、能力面の特徴や性格・行動面の特徴の分布が明らかに異なることがわかっています。

安全・危険を切り分けられそうな判定基準を仮に設定し、実際のデータを使用して、事故者群と無事故者群をそれぞれAとBの2グループに切り分けてみると次のようになりました。

	事故者群	無事故者群
グループA	38%	76%
グループB	62%	24%
合計	100%	100%

これを見ると、事故者を無事故者から完全に切り分けることはできませんが、少なくともグループAの方がグループBよりも安全な集団だと言うことはできます。

そこで、もしグループBが車を運転しなかったら、事故率が下がるかどうかを検討してみましょう。
近年の日本人が自動車事故を起こす確率は１年間に約1%と言われていますので、上の表を全体で１万人の集団に当てはめてみます。

	事故者群	無事故者群
グループA	38人	7524人
グループB	62人	2376人
合計	100人（1%）	9900人（99%）

グループAの事故率：38÷7524≒0.5%
グループBの事故率：62÷2376≒2.6%
つまりグループBはグループAよりも5倍以上危険ですので、もしグループBが車を運転しないことにすれば、事故率は1%から0.5%に下がります。
つまり「交通事故を半分にまで減らす」ことができることになります。
しかし、グループBに運転させない（免許を与えない）ということは、無事故者2376人も運転できなくなってしまうので、現実的ではありません。
そこで、ITの登場です。
例えば、グループBから優先的にASV（先進安全自動車）や自動運転車への切り替えを促すことで、同様の効果を得ることができるでしょう。

現在の日本は世界的に見ると交通事故は極めて少ない方ですが、そんな日本でもさらに削減ができるということは、免許制度や交通ルールが整っていない国々ではさらに効果が高まることは明らかです。
すべての人に健康と福祉を。

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