適性検査とは?

企業や団体が人材に対して行う適性検査は、主に次の3つの点を客観的に判断するために使われる様々な検査の総称です。

• 業務に対する適性
• 環境に対する適性
• 将来性（ポテンシャル）

適性検査を上手に使うことによって、適材適所、教育研修の効率アップ、組織力アップを図ることができます。

適性検査の種類

適性検査のテスト項目や分析方法は非常に多様です。

• 知能
• 性格
• 行動
• 興味・関心
• 倫理観
• 学力
• 技能
• 一般常識
• 専門知識
• 人生経験
• 社会性
• コミュニケーション能力
• などなど

従って、世の中には様々な適性検査が存在していますが、大きく分けると、「心と行動」にアプローチする心理検査と、「培ってきた知識や経験」にアプローチする基礎能力検査とに分類することができます。

	心理検査			基礎能力検査
	パーソナリティ検査		知能検査
	作業検査法	質問紙法
測定対象	作業行動	自己認識	認知能力	学力、一般常識、技能など
測定方法	客観的	主観的	客観的	客観的
言語力の影響	小さい	大きい	小さい（非言語分野）／ 大きい（言語分野）	大きい

基礎能力検査

先に、イメージしやすい基礎能力検査の方を見てみましょう。
基礎能力検査は、学力や、一般常識、技能などのスキルを測るための検査です。
簡単に言えば、今、何がどのくらいできるかを知ることができます。
ここで測定される能力は、受検者が生来持っている能力ではなく、教育や趣味、仕事、社会生活での経験を通じて培って（溜め込んで）来た能力です。
「Aというスキルがある人は、Aを応用した業務に適性があるであろう」という関係ですので、受検者に求めるスキルが明確な場合（特に即戦力を求める場合）は、基礎能力検査の判定結果は重要です。
ただし、基礎能力検査の判定結果を利用する際は、今ある能力が今後もさらに発達するとは限らない、特定の能力が高いからと言って別の能力も高いとは限らない、といった点に注意が必要です。

心理検査

次に、心理検査を見てみましょう。
心理検査は、受検者の「心と行動」を解き明かすための検査で、受検者が持っている素質や心の動きの方向性を見ることができます。
今何ができるかはわかりませんが、どのようにして現在に至っているのか、今後どうなって行くのかを予測するために非常に重要です。

適性検査としての心理検査は、知能の素質を見るための知能検査と、性格を見るためのパーソナリティ検査に分けられます。

知能検査

知能検査は、主に図形や数字などの理数的な問題を解かせることによって、新しいことを学習する能力や、新しい環境に適応するための問題解決能力を測る検査です。
知能は、一般的に子供から大人になるにつれて大きく発達します。
また、知能が高いほど基礎能力も発達しやすい傾向があります。
ただし、知能が高くても、習得する環境に置かれなければ基礎能力は発達しませんし、特定の基礎能力との相性が良ければ知能とは関係なく専門的に発達することもある、という点に注意が必要です。

パーソナリティ検査

パーソナリティ検査は、受検者の行動・性格面の特徴を測る検査です。

パーソナリティ検査は主に、質問紙法、作業検査法、投影法の3種類があります。

質問紙法

質問紙法は、質問に対する回答を統計的に分析してパーソナリティを測定する方法で、受検者の自己認識や希望など主観的な特徴がわかります。
質問を読んで理解する能力と自己理解力とがあることが正しい検査の条件となります。

作業検査法

作業検査法は、一定の条件のもとで一定の作業をさせ、その作業の実施態度や遂行結果を統計的に分析して、パーソナリティを測定する方法です。
自己理解力にとらわれず、受検者が本来持っている客観的な特徴がわかります。

投影法

投影法は、意味のあいまいな絵などを見せて解釈させて、内心や性格を診断する方法です。
精神科医や心理カウンセラーでないと診断ができないため、企業や団体の適性検査ではあまり使われません。

内田クレペリン検査

内田クレペリン検査は、作業検査法に分類される心理検査で、以下のような特徴があります。

• 一つの検査で、能力面の特徴と、性格・行動面の特徴を同時に測ることができます。
• 本人の主観によらず、客観的か結果が期待できます。
• 言語や文化に左右されず、子供から大人まで、ネイティブ人材から外国人材まで、幅広く検査することができます。
• 組織診断、安全管理、メンタルヘルスにも使用されています。
• 今何ができるか、何がしたいか、などはわかりません。

	心理検査			基礎能力検査
	パーソナリティ検査		知能検査
	作業検査法	質問紙法
内田クレペリン検査	内田クレペリン検査の判定結果には、受検者本人も認識していない性格・行動面の特徴が現れます。		内田クレペリン検査の「作業量」はIQとの相関関係が高いことがわかっています。

なお、各社の適性検査はそれぞれ、テスト項目や測定方法の組み合わせや比重、判定結果の表現方法などが異なります。

その他の適性検査 （※筆者分類）		SPI3、玉手箱、ダイヤモンドシリーズ、SCOAなど
		GAB、3E-p、eF-1G、CUBICなど
		Compass、OPQ、CQI、HCi-ASなど		HCi-abなど

適性検査使用の際は、受検者の何を知りたいのか、どう活用したいのかをあらかじめ明確にし、面接や提出物も含めた上手な選択や組み合わせの検討が必要です。

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