タイの個人所得税確定申告は、納税者本人の義務ですが、会社や現地会計事務所が代行していることも多いと思います。
会社や現地会計事務所に任せると、よく申告漏れが発生するのが下表のオレンジ部分です。
なぜなら、本人や日本側が申し出ない限りタイ側では把握し難いからです。
会計事務所は基本的に受け取った書類のみを処理しますので、タイ法人の会計に影響が無い問題は指摘してくれません。

しかし、税務監査や内部告発等で申告漏れが指摘されると、2年間遡って追徴を含めて課税されることがあります。
これは個人所得税のうち、会社の源泉徴収義務が無い部分ですから、会社ではなく駐在員本人の責任となりますので、しっかりとタイのルールを把握しておかなければなりません。

尚、タイの個人所得税を会社が補填する場合は、その金額についても課税対象となります。
すなわち所得税が増えます。
増加した税額を会社が負担すると、さらにその部分も課税対象になりますので、計算は少々ややこしくなります(詳しくはタイ個人所得税のグロスアップ計算を参照ください。)

  暦年(1月1日~12月31日)でのタイ滞在日数
所得の種類 180日以上※1 180日未満※2
タイ源泉の所得 タイ法人負担 タイで納税 タイで納税
日本法人負担 タイで納税 日本で納税※3
日本源泉の所得 タイへ持ち込み タイで納税 日本で納税
タイへ持ち込まず 日本で納税 日本で納税

※1 タイの居住者とされます(実際に居住しているかどうかは関係なく、出張や観光での入国日数合計が180日以上の場合も含まれます)。
※2 タイの非居住者とされます。
※3 日タイ租税条約の短期滞在者免税規定に基づき日本での納税となります。

タイ源泉の所得とは次の所得を指し、受領地は関係ありません。

  • タイ国内の職位・職務による所得(駐在員の報酬はここに該当します)
  • タイ国内の事業所または事業から生じる所得
  • タイ国内に所在する資産から生じる所得

日本人駐在員の場合、具体的には次のような所得が課税対象となります。

  • タイ国内で支払われる給与・諸手当・賞与
  • 会社が支払っている家賃
  • 社用車費用のうち個人使用部分
  • 日本国内で支払われる給与・諸手当の総支給額(税、個人負担社会保険料含む)
  • 日本国内で支払われる賞与のうち、タイ国内の職位・職務による部分(税、個人負担社会保険料含む)
  • 日本国内の会社負担社会保険料

通勤手当は個人所得税課税対象ですが、赴任・帰任の旅費実費や出張旅費実費は法人の経費となり、個人の所得とはなりません。

上記は、駐在員本人はもちろんですが、日本本社の人事部門が把握しておくべき事項です。
個別にアドバイスいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
個人所得税確定申告書の作成も代行いたします。
確定申告書作成代行料金:1名につき2,000バーツ
(通常の納税ではなくコンサルティングが必要な場合は別途1時間につき3,000バーツを申し受けます)

このコーナーでは、タイでの経営実務に影響する最新情報を簡易的に提供しています。
法令の適用条件は各企業を取り巻く様々な環境によって異なる場合があり、また法律の改正や新しい勅令・省令・告示等が予定されている場合もありますので、自社への影響や対応は必ず弁護士・公認会計士等の専門家とご検討ください。
専門家に心当たりがない場合はご紹介いたします。お気軽に弊社までご相談ください。