タイにおいて、合併は「新設合併」のみが認められており、「吸収合併」に似た制度として「全部営業譲渡」の税制恩典が設定されています。

新設合併は、A社およびB社の事業継承先としてC社を設立し、A社およびB社の権利義務をC社に承継させると同時にA社およびB社を解散する制度です。

「営業譲渡」は一般的な取引ですが、「吸収合併」制度の無いタイにおいては、「全部営業譲渡」に対して税制面での恩典を与えることにより、「吸収合併」と同じような効果を得ています。
「全部営業譲渡」の税制恩典を受けるためには、「譲渡と同一年度内」に、「譲渡会社の資産・負債をすべて譲渡する」ことおよび、「譲渡会社を解散し、清算手続きに入ること」が求めらます。

「部分営業譲渡」は税制面での恩典は無く、一般取引と同様に課税されます。
ただし、 勅令516号により、2011年1月1日以降に行われる“関係会社間”で行われる「部分営業譲渡」に伴い生ずるVAT、特定事業税、印紙税は免除されています。

債務超過会社は任意清算ができません(裁判所での破産手続きが必要です)ので、譲渡予定会社が債務超過で「新設合併」または「全部営業譲渡」を行う場合は、実施前に債務超過を解消しておく必要があります。
また、「新設合併」の場合も、「全部営業譲渡」の場合も、譲渡会社の税務上の繰越欠損金を引き継ぐことはできません。

新設合併 全部営業譲渡 部分営業譲渡
資産の譲渡益 発生しない 免除 法人税課税
不動産譲渡に係る源泉税 不動産譲渡価格の1%源泉徴収
通常資産の移転に係るVAT 免除 7%課税
土地・建物の移転に係る特定事業税 3.3%課税
貸付金の移転に係る特定事業税 3.3%課税
土地登記手数料 土地評価額の2%課税 土地評価額の2%課税
税法上の繰越欠損金の引き継ぎ 不可 不可 発生しない
このコーナーでは、タイでの経営実務に影響する最新情報を簡易的に提供しています。
法令の適用条件は各企業を取り巻く様々な環境によって異なる場合があり、また法律の改正や新しい勅令・省令・告示等が予定されている場合もありますので、自社への影響や対応は必ず弁護士・公認会計士等の専門家とご検討ください。
専門家に心当たりがない場合はご紹介いたします。お気軽に弊社までご相談ください。