タイは、外資誘致や内需拡大のため様々な税制優遇を行っています。
日系企業の関心が高い法人税に関する優遇政策についてまとめてみました。
本稿では日系企業の一般的な進出形態である非公開株式会社に限って解説いたします。

まず、タイの法人税の法定税率は30%ですが、2013年1月1日以降に開始し、2014年12月31日までに終了する会計年度に関しては、法人税率20%が適用されています。
これは、2012年12月14日付の勅令第530号によるもので、発令当初は「2013年1月1日以降に開始する2会計年度」とされていましたが、その後の改正により終了期限が追加されました。
勅令第530号の目的としては、「特に外資誘致のため」となっており、現時点では「臨時」とされています。

尚、次の条件を満たす“中小企業”に対しては、累進税率が適用されています。
1.会計年度最終日における払込済み資本金が5百万バーツ以下であること、かつ
2.会計年度における「商品の販売及びサービスの提供」による収入が30百万バーツ以下であること
を満たすと、2013年1月1日以降に開始する会計年度において次の法人税率が適用されています。
純利益のうち30万バーツ以下の部分:0%
同30万バーツを超え100万バーツまでの部分:15%
同100万バーツを超える部分:20%

上記は一般的な企業すべてに適用されるものですが、この他に、BOI(投資委員会)による投資奨励恩典や地域統括本部、国際調達センターに対する恩典があり、それぞれ法人税の優遇措置が取られています。

2014年12月31日申請まで適用される現行のBOI投資奨励恩典では、立地ゾーンや業種の重要性に応じて、3年間、5年間、8年間の法人税免税(上限なしの場合と投資金額までの場合あり)、および免税期間終了後から5年間について法人税の50%減免の措置が取られています。
この政策に関しては、現在BOIで見直しが進んでおり、2015年1月1日以降の恩典に関してはドラフト版のみ発表されています(現行恩典から大幅な変更が盛り込まれています)。

地域統括本部(ROH)には新旧2つの制度があります(条件が大きく異なります)。
旧制度では、国内外の関係会社に対する認可サービスの収入について10%の法人税率が適用されています。
新制度では、外国の関係会社に対する認可サービスの収入について10年間の法人税免除、国内の関係会社に対する認可サービスの収入について10年間10%の法人税率が適用されています。
尚、ROH認可を受けている法人が、認可外の事業を行っている場合は、認可外の収益に対する法人税率は、一般税率が適用されます。

国際調達センター(IPC)については、連続する5会計年度について、適格所得から生じる利益について15%の法人税率が適用されています。

このコーナーでは、タイでの経営実務に影響する最新情報を簡易的に提供しています。
法令の適用条件は各企業を取り巻く様々な環境によって異なる場合があり、また法律の改正や新しい勅令・省令・告示等が予定されている場合もありますので、自社への影響や対応は必ず弁護士・公認会計士等の専門家とご検討ください。
専門家に心当たりがない場合はご紹介いたします。お気軽に弊社までご相談ください。