合弁企業を設立するにあたり、「附属定款に別段の定めがない」と、法人支配が極めて不安定な状態または制御不能になってしまうことを前回確認しました。
附属定款の変更は特別決議が必要です(25%以上の議決権を持つ株主に反対されると改訂できない)ので、合弁会社を設立する際には、将来に渡って問題ないように適切に附属定款を定めることが極めて重要です。

今回は非公開株式会社の附属定款で定められる主な事項を見ておきます。

附属定款で定められる主な事項

株式の譲渡制限

  • 株式の譲渡は取締役会の同意を必要とする
    (附属定款で定めなければ制限なし)
  • 株式の譲渡は株主総会の同意を必要とする
    (附属定款で定めなければ制限なし)
  • 株式を譲渡希望する株主は先に他の既存株主に譲渡を申し入れ、これが成立しなかった場合のみ既存株主以外に株式を譲渡することができる
    (附属定款で定めなければ制限なし)

株券

  • 無記名株券を発行することができる
    (附属定款で定めなければ記名株券のみ発行可能)

取締役会

  • 取締役の数は3名とする
    (附属定款で定めなければ取締役は最低1名)
  • 取締役数に空席がある場合、取締役は業務を遂行することができない
    (附属定款で定めなければ制限なし)
  • 特定の株主が一定の数の取締役を指名する
    (附属定款で定めなければ制限なし)
  • 取締役会の決議は3分の2の賛成をもって成立する
    (附属定款で定めなければ過半数の賛成で成立)
  • 取締役会の決議において票数が可否同数となった場合でも、議長は投票権を持たない
    (附属定款で定めなければ、票数が可否同数となった場合のみ議長は決定票を持つ)

株主総会

  • 登録資本の2分の1を代表する株主が出席していない限り、総会は決議を行うことができない
    (附属定款で定めなければ、登録資本の4分の1を代表する株主の出席で成立)
  • 株主総会の決議は挙手ではなく秘密投票のみとする
    (附属定款で定めなければ出席者一人1票の挙手投票が原則)
  • 株主総会の普通決議は3分の2の賛成をもって成立する
    (附属定款で定めなければ過半数の賛成で成立)
  • 株主総会の決議において票数が可否同数となった場合でも、議長は投票権を持たない
    (附属定款で定めなければ、票数が可否同数となった場合のみ議長は決定票を持つ)
  • 発行済み株数の10分の1以上を所有していないと株主総会での投票ができない
    (附属定款で定めなければ制限なし)

優先株式

  • 発行する株式は1,000株とし、そのうち490株を普通株式、510株を優先株式とする
  • 配当を行う場合、優先株式の所有者は、普通株式の所有者に先立って、所有株式の額面の20%まで配当を受けることができ、配当額に残りがある場合は、その配当方法は株主総会で決議する
  • 優先株式の議決権は、2株につき1議決権とする
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